「久留米大学-理化学研究所小児疾患共同研究室」を開設

 8月1日、学校法人久留米大学(永田見生理事長)と国立研究開発法人理化学研究所(松本紘理事長、以下「理研」)は、「小児のビタミンDの代謝異常メカニズムの解明」の共同研究を進めるため、久留米大学旭町キャンパスに、久留米大学-理化学研究所小児疾患共同研究室を開設しました。

本共同研究は、福岡県と久留米市が2001年に設立した産学官連携組織「福岡県バイオ産業拠点推進会議」(事務局:㈱久留米リサーチ・パーク)の下で推進する「福岡バイオバレープロジェクト」と、理研が進める「健康・医療データプラットフォーム形成事業」の一環として、両事業の予算から研究費を久留米大学に交付して実施しています。

「福岡バイオバレープロジェクト」では、2016(平成28)年度から県内における理研との連携拠点の形成を目指し、革新的な医薬・機能性表示食品等の開発に向け、福岡県内の大学・企業等と理研の共同研究を展開しています。本共同研究室は、本プロジェクトにおける連携拠点の形成に向けた初の共同研究室の開設(ライフサイエンス・バイオ分野で九州初)となります。

 

久留米大学医学部小児科学講座(山下裕史朗主任教授)と理研医科学イノベーションハブ推進プログラム(小安重夫プログラムディレクター)の発達障害データ多層統合ユニット(小西行郎ユニットリーダー)は、2018年4月1日から「小児のビタミンDの代謝異常メカニズムの解明」の共同研究を3年度計画で進めています。

小児のビタミンDの代謝異常は、くる病を代表とするO脚や骨の変形など成長障害を起こします。母乳はミルクよりもビタミンDが少なく、母子のビタミンD不足、栄養の偏りや紫外線対策により、近年くる病が増えています。小児のビタミンDの代謝異常は、成長障害、ひいては発達障害の重要なテーマになりうる可能性もあると言われていますが、その原因は分かっていないため、ビタミンDを摂取することで対応し、根本治療はされてきませんでした。

本共同研究では、母乳の解析を通じて、代謝異常を引き起こす原因物質を同定して、機能性食品の開発につなげることを目指しています。

 

久留米大学医学部小児科学講座では、発達障害に関して、長年にわたって新しい診断法、薬物・心理・社会的治療法の開発、病態解明を目的とした研究を行っています。特に、注意欠如多動症については世界的に注目される研究を進めています。また、小西ユニットリーダーが代表を務めた文部科学省新学術領域研究課題の主要メンバーとして、ロボティックス、心理学、脳神経科学などの研究者と、発達障害を持つ当事者とその研究者が一丸となった世界的に見てもユニークなプロジェクトに参加し、発達障害が起こるメカニズムについて研究を行ってきました。加えて、理研医科学イノベーションハブ推進プログラムが同志社大学赤ちゃん学研究センターと進める共同研究においても、同志社大学の分担課題の一部を担い、発達障害ハイリスク児の睡眠及び心電図の研究を進めています。このように、発達障害に関して総合的な研究を行うことができ、かつ九州一円の患者さんと信頼関係を構築してきた同講座は、発達障害研究において、我が国における重要拠点の一つです。そこで、同講座のノウハウを基盤として、本共同研究を進めて行きます。

【共同研究における役割分担】

久留米大学:

① 理研と連携してサンプル収集のプロトコール作成。

② 母乳サンプルを収集・解析。

③ 連携して解析結果を解釈、原因物質の同定。

理研:

① 久大と連携してサンプル収集のプロトコール作成。

② 連携して解析結果を解釈、原因物質の同定。

 また、久留米での理研職員の活動などに資するよう、久留米リサーチ・パーク内の福岡バイオインキュベーションセンター(F-BIC)の2階に、久留米大学‐理化学研究所小児疾患共同研究室の「福岡バイオインキュベーションセンター内分室」も開設しました。

 

(研究概要)

○「小児のビタミンDの代謝異常メカニズムの解明」

小児のビタミンDの代謝異常は、くる病を代表とするO脚や骨の変形など成長障害を起こす。母乳はミルクよりもビタミンDが少なく、母子のビタミンD不足、栄養の偏りや紫外線対策により、近年くる病が増えている。母乳の解析を通じて、代謝異常を引き起こす原因物質候補を見出す。さらに検証を進め、原因物質を同定して、機能性食品の開発につなげることを目指す。

 

(参考)

福岡バイオバレープロジェクト:

福岡県と久留米市は、2001年に設立した産学官連携組織「福岡県バイオ産業拠点推進会議」(事務局:㈱久留米リサーチ・パーク)の下、バイオ技術を核として企業の研究開発、ベンチャー育成支援等を通じ、久留米地域を中心にバイオ関連企業・研究機関の集積を促進し、バイオ産業の振興を図る「福岡バイオバレープロジェクト」を推進。

2016年からは政府関係機関の地方移転に関する国の基本方針「理化学研究所と地域の大学・企業等の共同研究を展開し、共同研究の成果や発展性を踏まえ、連携拠点等の新しい体制のあり方も模索する」を踏まえ、革新的な機能性表示食品や医薬品等の開発を目指し、理化学研究所と地域の大学及び企業等の共同研究を展開している。

 

理研健康・医療データプラットフォーム形成事業:

健康・医療及びライフサイエンス分野を中心として、理研は日本最先端の研究・分析基盤を有しており、種々の研究データを日々産生している。急速に増加するデータは人の認知限界を超えており、ビッグデータに含まれる情報を十分に利活用出来ていない状況にある。データ利活用のためには、人工知能・機械学習・データ同化及び数理・理論科学の手法が重要であり、理研にはそのための優れた研究基盤・体制が整備されている。理研はこれらビッグデータ及びその利活用技術基盤を同時に有する唯一の総合研究機関として、既にデータベース構築やデータ利活用の取組を進めている、健康・医療、ライフサイエンス分野の研究開発を促進し、予防医療の実現や、ライフサイエンス研究の飛躍的進展を目指す。2017年度開始事業。

(写真)久留米大学医学部小児科学講座及び福岡バイオインキュベーションセンターに設置する

    「久留米大学-理化学研究所小児疾患共同研究室」の表札を持つ山下主任教授

【本件に関するお問い合わせ】

 

株式会社久留米リサーチ・パーク バイオ事業部(担当:部長 一木 義治)

TEL:0942-37-6124 E-mail:ichiki@krp.ktarn.or.jp

 

久留米大学 研究推進戦略センター

TEL:0942-31-7917 E-mail:sangakuml@kurume-u.ac.jp

 

理化学研究所 科技ハブ産連本部 科学技術ハブ推進部 科学技術ハブ推進課

TEL:048-467-9281 E-mail:csth-suishin@riken.jp

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